夢をかなえるゾウ

7年ぶりの再会。

この本が発売された2007年。
2007年は僕が「自己啓発書」に目覚めた年です。

当時も話題だったこの本は、もちろん読みました。
当時は学生だったこともあり、図書館で借りて読みました。
「これはいい本だなぁ。」と思いました。

あれから7年経ち。経験を積み。もっと多くの本を読み。
自分の好きな仕事で独立できた今。

オーディオブックという新しい形で、この本と再会しました。

あのころは雲の上の人だった水野敬也さんですが。
水野さんのブログ「ウケる日記」を読み、
自分も文章を書く仕事をしながら、

「自分よりずっとずっとすごいけど、少なくとも同じ人間。物書きなんだなぁ。」
と思えるほど僕も大人になりました。

あまりにも精密に作られた、マシーンのような作品

当時は「いい本だなぁ」だったのですが、
いま思うのは、
「こんなに精密に書かれた本は、他にないだろう。」です。

それは「学び」と「エンターテイメント」の絶妙すぎるバランスです。

オーディオブックだと特にふたりの掛け合いにリアリティがあります。
ふたりの声が違うからです。
ふたりというのは青年とガネーシャのことです。

そして聴きながら、だんだんイライラしてきます。

「そこで普通はそんな言動しねぇだろ!」
「いやいや、リアリティがなさすぎだから。」
「あたま、悪すぎ。」
と。

ガネーシャは常識はずれすぎるし、
青年は勘がにぶすぎる。

そして僕たちは、少しイラつきます。
でも、イラついてきたところでガネーシャが

「それやねん!まさしくそれが、成功するコツやねん!」
と言うのです。

それがあまりにも適切な教えで、いま自分の中に生まれたイラつきこそ、学びのための大事な鍵なのです。
ただ学ぶだけじゃなく、この感情の動きが、なんとも言えず快感なのです。

この
「なんだかいらつくやりとり」
からの
「適切な学び・教え」

への移行が恐ろしくスムーズなんです。

ガネーシャのキャラクターもあり、「テキトーに書かれてる本」というイメージが持たれがちですが、
ここまで精密に計算され尽くされて作られた本は他に知りません。

「行動が大切だ」と文章で伝える矛盾。

あらゆる自己啓発書は、「成功するには行動が大切だ」と言っています。
しかしその「行動が大切だ」なるほどフンフンと思っているその瞬間は、ひとは本を読んでいます。行動していません。
矛盾しています。

本に書く最も適切なことは「読書が大切だ」であるはずです。
そうすれば読んでるひとはいい気分がします。

世界中のあらゆる「行動を促す本」は、その矛盾を抱えています。
その矛盾に真っ向から立ち向かった本が、「夢をかなえるゾウ」で、バカ売れしたのも納得というものなのです。

・・・と、僕が書いてもその本質は伝わりません。
それは、青年とガネーシャの、絶妙な掛け合いをよく聴いてこそ、感じることができます。

そのための

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