下流社会

オーディオブックで聴くのには全くふさわしくない作品

いままで何十本もオーディオブックを聴いてきましたが、この作品ほど、
「本で読んだ方がいい」と思った作品はありません。

なぜならこの本の30%くらいが、統計的な数字の解説をしているからです。

例をあげるとこんな感じ。

「自分を下流だと感じている人・・・

20代・・・40%。
30代・・・30%。
40代・・・25%。
50代・・・・・・」

と、延々と数字を読み上げられるのです。
円グラフや棒グラフにして見せてもらえればピンと来てわかりやすいのですが、
ただ音声で羅列されても、全くピンとこない。

本当に残念でした。

内容はだいたいムカつく。

この本は数年前の本で、発売以降、ニュースや著名人の言葉から「下流社会」という言葉を聴くことが増えてきました。

そのくらい世の中の価値観に影響を与えた本なのだろうと思って購入したんです。

そしてその内容は、そのくらい世の中に影響を与えたのもうなずけるくらい、ショッキング。
というか全体的にムカつく。

世の中の人間に対して一方的で独断的に階級を決めてしまうのだから、しょうがない。
もちろん著者が勝手に言ってることだし、多くは「自分は下流だと思いますか?上流だと思いますか?」などの質問の回答を基に理論を組み立てているので、悪意はない。

悪意はないけど、やっぱり心地いいものじゃない。
僕が一番カチンと来た点を紹介します。

良薬はいつも苦い。

「下流社会」の後半で紹介される、各年代ごとの価値観。
それによると僕のような1980年代生まれは、「自分らしさ」「個性」「自己表現」を大切にする風潮があるとされています。

しかもその価値観は、そのまた十数年前のベストセラーになった本などから作られた。とされています。
オーマイガー!

僕たちが一生懸命、声高に叫んでる「自分らしさ」「個性」は、この年代に見られる単なる傾向である。ということ。それすなわち自分らしさでもなんでもないやん。と。

そんなこと勝手に言わせとけ、というのはカンタンですが、自分の考え方や価値観がどういうルーツでやってきて、自分が社会においてどのような状況に置かれているかを認識するうえで、
耳に痛いですが、貴重な意見が詰まった本です。

オーディオブックでもいいんですが、
紙の本をオススメします。

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